松本尚さんは、救急・外傷外科医としてドクターヘリの立ち上げと普及に携わり、ドラマ『コード・ブルー』では第1シリーズから医療監修を担当してきた政治家です。デジタル大臣を務めましたが、2026年9月17日の第2次高市改造内閣発足に伴い、同職は古川俊治さんに交代しています。
白衣を着て救急現場を飛び回っていた松本さんは、どんな家庭で育ち、若い頃はどんな学生だったのでしょうか。妻や家族、息子とのエピソードから、仕事へのこだわり、趣味や普段の過ごし方まで、人間としての松本尚さんを見ていきます。
- 大晦日もランニングと読書で過ごす習慣。
- 高校時代は東大進学を目標にしていたが、物理が苦手で進路を変更。
- 自分の手を動かす仕事を好み、若手には仕事を「もっと楽しめ」と伝えてきた。
松本尚の家族構成|息子との読書エピソードも
妻・結婚について公表されていること
松本尚さんは、仕事や医療について数多くのインタビューに答えてきた一方、家庭について詳しく語る機会は多くありません。結婚の有無や配偶者の氏名は公表されていません。
2018年、家族は仕事を理解しているのかと聞かれたときにも、返ってきたのは松本さんらしい短い言葉でした。
仕事のこと、よく知らないんじゃないかな
出典:公明新聞転載「ドクターヘリ救急のパイオニア」(2018年9月30日)
救急・外傷外科医として、いつ呼び出されるか分からない環境で長く働いてきた松本さんですが、家族の話になると多くを語らず、さらりとかわしていました。
息子から薦められた本を夏休みに読了
家族について新しい一面が見えたのは、2026年8月の本人公式Xです。夏の読書として、息子に薦められた一冊を読み終えたことを紹介していました。
選んだ本は、日露戦争後から終戦までの満州を題材にした大作。松本さんは長編映画を見ているようだったという趣旨の感想を記しています。自分で本を選ぶだけでなく、息子の推薦を受けて読み、その感想を発信する親子のやり取りがうかがえる投稿でした。
息子の年齢や職業などは明かされていませんが、2026年になっても本を薦め合う関係が続いていることは、松本さんの日常を知るうえで印象的な一場面です。
松本尚の実家と家族のルーツ|金沢のサラリーマン家庭
松本尚さんは1962年、石川県金沢市に生まれました。幼稚園から高校まで金沢大学の附属学校で過ごしています。
中学生の頃は、まず附属高校に進むことが目標でした。内部でそのまま高校へ上がれるわけではなく、中学3年間の成績が重視されたため、本人の言葉では「勉強だけはしっかり」していた時期です。
家庭はサラリーマン家庭でした。大学受験では私立大学を自由に選べる状況ではなく、国公立大学が選択肢になったと本人が振り返っています。進路を考える場面でも、家庭の事情を現実的な条件として受け止めていました。
金沢は、その後長く医師として働くことになる松本さんにとって出発点でもあります。医師になった後も最初は金沢大学の病院で働き、救急医療の新しい仕組みをつくろうと試行錯誤しました。最終的には活動の場を千葉へ移しますが、若い時期の大半を金沢で過ごしています。
父親や母親の氏名、兄弟姉妹の構成などは表に出していません。分かっている家庭像は決して派手なものではなく、金沢のサラリーマン家庭で学校生活を送り、自分の成績と家庭の条件の両方を考えながら進路を決めていった姿です。
松本尚の若い頃|東大志望から医学部へ進路を変えた高校時代
高校時代の松本尚さんは、最初から医師一筋だったわけではありません。当時は「東大に何人合格するか」が学校内で強く意識される環境にあり、松本さん自身も東大進学だけを目標にしていました。どの学部へ行くのか、将来どんな仕事に就くのかまでは考えていなかったそうです。
得意科目は数学。一方で物理がどうしても苦手でした。そのため東京大学理科Ⅰ類への出願を断念し、次の選択肢として医学部が浮上します。
金沢大学医学部を選んだ背景には、当時の二次試験が英語・数学・小論文で、苦手な物理を避けられたこともありました。受験した医学部は金沢大学だけ。浪人した場合は医学部受験そのものをやめるつもりだったと話しています。
医学部に入ってからは、進路を決めた高校時代とは空気が変わります。医師国家試験に通らなければ、医学部で身につけた知識を仕事につなげにくい。そこで勉強への向き合い方も変わりました。
まじめな学生だったと思います。というより、まじめにならざるを得ませんでした。
出典:メディカペディア「医師の世界は厳しい 十分な覚悟を持っているか?」(2017年3月8日)
ただし本人は、当時もどこかに「何とかなるだろう」という楽観的な気持ちはあったと振り返っています。慎重に現実を見ながらも、必要以上に悲観しない若者だったようです。
診療科を選ぶときには、かなり早い段階から外科を志望しました。理由は、自分の手を動かして何かをしないと面白くないと感じる性格だったから。机上だけで完結するより、自分で動いて結果につなげる仕事を好む感覚は、後の救急医療にもつながっていきます。
救急医・松本尚の仕事観|「もっと楽しめ」と伝える理由
医師になった松本尚さんは、最初の約8年間を消化器外科医として過ごし、胃がんを中心に多くの手術を経験しました。ただ、自分が「普通の外科医」のままで生き残るのは難しいとも考えるようになります。
そこで1995年、救急医療を学ぶために1年間の予定で日本医科大学へ。そこで目にした外傷外科は、それまで取り組んできたがん手術とはまったく違う世界でした。大きな事故で緊急に止血し、限られた時間の中で救命へつなげる。その治療に強くひかれ、予定していた1年間を越えて救急・外傷外科へ進むことになります。
2000年に日本医科大学千葉北総病院へ移ると、ちょうどドクターヘリ導入の準備が進んでいました。当時は「ヘリを飛ばせば救急医療が良くなる」と言うだけでは制度は動きません。消防の救急隊に出動要請をしてもらい、実際の救命効果をデータで示し、自治体にも事業の必要性を伝える。現場と仕組みづくりを同時に進めていきました。
救急現場では、設備も人員も病院ほどそろっていません。本人は、周囲を不安にさせないため顔には出さなくても、背中が冷や汗でびっしょりになることがあると明かしています。それでも若い医師には、厳しさだけを強調しませんでした。
若いスタッフにはいつも言うんです。もっと楽しめと。
出典:朝日新聞デジタル「空飛ぶドクターの仕事を『楽しむ』術」(公開日記載なし)
好きだからこそ工夫し、さらに良い結果を求める。その前向きさが患者の利益につながるというのが、松本さんの仕事に対する考え方でした。
本人公式YouTubeでは、ドクターヘリの立ち上げ当時を自身の言葉で振り返っています。
『コード・ブルー』医療監修|リアリティーへのこだわり
松本尚さんの名前を医療関係者以外にも広く知らしめた仕事の一つが、フジテレビ系『コード・ブルー』の医療監修です。2008年の1stシーズンから参加し、シリーズを通じて医療シーンを支えてきました。
最初の頃は、ほぼ出来上がった脚本を医療面から直す仕事が中心でした。しかしシリーズが進むにつれて関わる時期が早くなり、3rdシーズンでは物語のプロット段階から、使える症例や治療のアイデアを書き込むまでになっています。
7年ぶりの3rdシーズンが動き始めたとき、松本さんと一緒に監修をしていた原義明医師は、出演者5人をもう一度そろえられるのか気にしていたそうです。キャストがそろいそうだと分かったときの反応は、とてもシンプルでした。
じゃあ我々もやります
出典:フジテレビ『コード・ブルー』特別インタビュー(2017年7月10日)
監修は脚本だけではありません。俳優が手術でどの方向へ手を動かすか、どこを見るか、医療器具をどう置くか、心電図の数字をどう見せるかといった細部にも関わりました。医療と無関係な場面を除けば、撮影のかなりの部分で監修チームが現場へ足を運んでいたといいます。
その撮影現場で、松本さん自身にも発見がありました。カメラマン、音声、美術など多くの専門家が動くドラマ制作は、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、リハビリスタッフ、事務職などが協力する病院とよく似ていたのです。
目に見えるものだけで判断しちゃいけないな
出典:ORICON NEWS「シーズンを重ね進化、本質に迫る『コード・ブルー』の医療監修」(2017年8月10日)
作品を通して裏方への見方も変わり、どんなドラマでも「正座して観なければ」と冗談を交えて話すほど、画面に映らない仕事への敬意が強くなりました。
撮影現場で生まれた人間関係も続きました。藤川一男役を演じた浅利陽介さんとは、インタビュー当時、年に数回一緒に食事へ行く仲になっていたそうです。通常の「医療監修」という立場を越えた関係になっていたと松本さん自身が話しています。
松本尚の趣味・好きなもの|ランニング・読書・ゴルフ・温泉
公表している趣味は、ランニング、読書、ゴルフ。好きなもの・こととして温泉を挙げています。
この中でも、日常の発信で特に姿が見えやすいのがランニングと読書です。2025年の大晦日には、いつものランニングコースで表参道へ向かいました。年末で人通りが少ない街を走った後、スターバックスへ入り、ゆっくり本を読んでいます。
その時期はデジタル庁や国家サイバー統括室の資料だけでなく、何冊もの本を読み進めていました。それでも未読の本が積み上がっていたようで、本人はこの過ごし方を「例年と同じ大晦日」と表現しています。
仕事で資料を読むことと、趣味として本を読むことがきれいに分かれているわけではなく、休みの日にも自然に本へ手が伸びる生活です。2026年夏には息子から薦められた長編作品を読み終えており、読むジャンルも仕事関係の資料だけではありません。
ゴルフも長く公式プロフィールに載せている趣味です。一方、好きなものとしては温泉。救急医療の第一線で緊張を強いられてきた人物が「温泉」を挙げているのは、少しほっとするプロフィールでもあります。
松本尚の性格・人柄と私生活|現場で手を動かすスタイル
松本尚さんは自分の性格について、外科を選んだ理由と結び付けて「自分の手を動かして何かしないと面白くない」と語っています。
救急医療でも、制度について語るだけでなく、消防や自治体の人たちと話し、実際の出動を重ね、データを集めて仕組みを変えていきました。デジタル大臣になってからも、現場でサービスを実際に試す姿は変わっていません。
2026年1月には富山県朝日町を訪れ、マイナンバーカードを使った地域サービスや、住民の自家用車を活用する移動サービスを自ら体験しています。
一方で、大きな決断をするときは割り切りもはっきりしています。医師として34年歩いた後に国政へ転じた際には、一度臨床現場を離れれば元には戻れないという考えで決断していました。
それくらい腹を括って決めたことだから。
出典:CareNet「現場を離れ、もう臨床医には戻れない。不退転の覚悟で挑む大きな医療政策とは?」(2021年12月22日)
救急現場では冷や汗をかいていても顔には出さず、人生の大きな方向転換では決めた後に迷いを残さない。本人が語ってきたエピソードには、感情を大きく表に出すより、まず動く姿が何度も現れています。
松本尚の価値観と意外な一面
松本尚さんが座右の銘として掲げているのは「学は以て已むべからず」。学びを途中でやめてはいけない、という意味を持つ言葉です。
医師として教授や病院運営を担うようになった後には、医学とは別に経営管理を学び、2017年に英国Anglia Ruskin大学の経営管理学修士(MBA)を取得しました。救急・外傷外科の専門家になった後も、必要になれば別分野を学び直しています。
厳しい救急現場、大学教授、ドラマ監修と聞くと硬い人物を想像しやすいですが、発言にはユーモアもあります。『コード・ブルー』と実際の救急現場の違いを聞かれた際には、「ガッキーがいないこと」と答えて周囲を笑わせたことがありました。
さらに、自民党の候補者プロフィールで「苦手なもの・こと」を聞かれた際の答えは「人以外の生き物」。犬や猫など一つの種類ではなく、かなり広い回答です。好きなものは温泉と答えており、緊張感のある仕事のイメージとは違う一面も見せています。
医学生には覚悟を求め、救急の若手には仕事を楽しむよう伝え、ドラマの現場では画面に映らない裏方へ敬意を抱くようになった松本さん。専門分野が変わっても、新しいものを自分で見て、試し、学ぶことを続けてきた人物です。
松本尚氏の「本人の言葉」から素顔を見る
家族や学生時代、趣味、価値観などについて、 本人が実際に語った言葉から、 人物像をさらに詳しく見ていきます。
救急医を選んだ理由
消化器外科の先生方って、先輩も後輩も優秀な人がいっぱいいたので、自分の得意分野を身につけないといけないと思って選んだのが救急の世界でした
松本氏は消化器外科から救急医療へ進んだ理由として、自分ならではの専門領域を持ちたいという思いを語っています。
ドクターヘリ普及への思い
ケガをした人たちを集約する方法としてドクターヘリは非常に役に立つので、普及して使っていけるような状態にしたいなと思ったのが一番大きなきっかけですね
松本氏は外傷患者を必要な医療へ素早くつなぐ手段としてドクターヘリに可能性を感じ、普及へ取り組んだ経緯を説明しています。
頼まれた仕事は断らないという行動原則
頂いた仕事は断らないのがポリシー。
松本氏は初入閣を打診された際の心境を聞かれ、自分は頼まれた仕事を断らないことをポリシーにしていると語っています。医師時代から新しい役割を引き受けてきた本人の行動原則が表れた発言です。
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- 松本尚君 衆議院 運営主体:衆議院/確認内容:千葉13区、自由民主党、当選3回、救急・外傷外科医、日本医科大学教授歴。
- 松本 尚 2021年衆院選特設サイト 運営主体:自由民主党/確認内容:ランニング・ゴルフ・読書、温泉、苦手なもの、座右の銘。
- 松本ひさし 2026年衆院選公認候補者 運営主体:自由民主党/確認内容:本人公式サイト、X、YouTubeの公式リンク。
- 医師の世界は厳しい 十分な覚悟を持っているか? 運営主体:メディカペディア/確認内容:金沢の家庭環境、高校時代、医学部時代、外科志望、救急医療への転向、ドクターヘリ。
- 空飛ぶドクターの仕事を「楽しむ」術 運営主体:朝日新聞社メディア事業本部/確認内容:救急現場での判断、仕事を楽しむ姿勢、若手への言葉。
- 『コード・ブルー』特別インタビュー 運営主体:フジテレビ/確認内容:医療監修、脚本への関わり、出演者との交流。
- シーズンを重ね進化、本質に迫る「コード・ブルー」の医療監修 運営主体:ORICON NEWS/確認内容:脚本・撮影現場での医療監修、裏方への価値観。
- 現場を離れ、もう臨床医には戻れない。不退転の覚悟で挑む大きな医療政策とは? 運営主体:CareNet/確認内容:決断の仕方、臨床現場を離れる際の覚悟。
- ドクターヘリ救急のパイオニア 運営主体:公明新聞記事転載ページ/確認内容:家族に関する本人発言、『コード・ブルー』、後進育成。
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